なんか、話が前後してしまいますが、これは取り調べー身体検査と終わって、留置所の房に入る直前の出来事です。
担当さんから留置所の基本についての説明がある
身体検査が終わると、留置所の入口近くにある浴室でシャワーを使わせてもらえました。多分、公園で裸になったあとずっと裸・裸足だったために、足などが汚れていたことと、逮捕時に脱糞してしまったために、まだ体のどこかに排泄物がついていたら房内を汚してしまうだろうという配慮だったと思うのですが、熱いシャワーを浴びることが出来、だいぶ落ち着きました。
留置所内では名前は呼ばれない
シャワーに入る時に、旅館で出てくるような薄っぺらい顔拭きタオルが渡されて、出る前に体を拭くように言われます。ちなみに留置所の浴室には更衣室はありませんので、全裸で廊下に出て、担当さんが見ている前で体を拭いたり着替えたりしなくてはいけません。
シャワーから出ると、すぐ近くの房に連れてゆかれ、タオルを房の横にあるステンレスのタオル掛にかけるように言われました。そこで
「タオルの端に315って書いてあるけど、それが今日からのあなたの番号です。留置所内では名前で呼ぶことはなく、全て番号で呼びますので、覚えておいてください」と言われました。究極の個人情報である名前は、他の容疑者に漏れると何が起こるかわからないというのが最大の理由なのでしょう。
次の日の朝になったら、315という番号が書かれている歯ブラシも用意されていました。歯ブラシと言っても、旅館の洗面所においてあるようなフニャフニャの安っぽい歯ブラシです。こんなので1ヶ月も歯を磨いていたら虫歯になりそうです。
通常はタオルや歯ブラシは購入するもののようですが、僕が無一文であることは担当さんにも伝えられているようで、僕の場合は無償支給でした。その代わり、タオルは新品ではなく、かなり使い込まれた、雑巾一歩手前のものです。多分、前に誰かが使っていたものなのでしょう。
番号で呼ばれることについては、中には名前に自分の尊厳を感じる人も多いようで、数多の留置所・刑務所のブログでは、名前で呼ばれないことにすごく屈辱感を感じる人がいるようですが、僕はそもそも自尊心や羞恥心が殆どないため、身体検査で全裸になっても、名前でなく、番号で呼ばれても、特に感じるものはありませんでした。
サンダルにも番号が
房の前に行くと、サンダルが置いてあって、片方には7番、もう片方には別の番号が書いてありました。そして、「サンダルは7番を使ってください。間違えると、同居者が怒るから気をつけるように」と言われました。
次の日早速間違えて、同居者に怒られてしまいました。
時間は深夜3時過ぎ
房の中に入ったのは深夜3時過ぎでした。先住者が房の真ん中で寝ていたため、担当さんが「悪いね、新入りが入ったからちょっとずれてくれないかな」と言って、移動してもらい、僕は押入れの場所を教えてもらって、押し入れの中の布団を房の中に入れて布団を敷きました。よく、硬いせんべい布団と書かれていますが、僕の場合は安い民宿の布団程度のもので、意外と柔らかかったです。
でも、今までの天地がひっくり返るぐらいの経験で頭の中が混乱していて、朝まで眠ることは出来ませんでした。