少し、留置所生活のことも書いてゆこうと思います。ここからは公然わいせつで全裸で逮捕された事とはあまり関係なくなってしまいます。
臭い飯
よくたとえ話として言われる臭い飯。実際には3食お弁当でした。お弁当はイラストのようなご飯とおかずが1つの箱に入っているものではなく、ご飯とおかずが別々の箱に入っている、仕出し弁当スタイルです。
朝昼晩、3食同じようなお弁当が配られます。おかずは、だいたい
- 揚げ物
- 煮物
- たくあん
の3種類。揚げ物はコロッケと白身魚フライとアジフライがほぼローテーションで回っている感じ。煮物はがんもどきや切り干し大根など数種類がやはりローテーションで回っている感じです。
ご飯は一応白米ですが、おそらく米穀倉庫で眠っていた古古米あたりだと思われ、何か匂います。
最初のうちはこの匂いに慣れず、おかずは全部食べるもののご飯は1/3ぐらい残していたのですが、そのうちに慣れて全部平らげるようになりました。なれって恐ろしいなと思います。
一緒の房に居た先輩によると、留置所だから白米なのだそうで、刑務所に入ると麦飯になって本当に臭くて食べられないと言っていました。匂いをごまかすために、御飯の上にソースや醤油をかけて食べていました。しばらく刑務所ぐらしをしていると、癖になってしまうのだそうです。
街の定食屋でこんなふうに白いご飯にソースをかけて食べている人が居たら、ひょっとして刑務所帰りかもしれません。
食事作法
作法ってほどではありませんが、食事には一連の流れがあります。まず、担当さんが各房の差入口に弁当を持ってきますのでそれを受け取ります。それをご飯とおかずそれぞれを食事する場所に並べます。
次にお箸を差し入れてくれるのでそれを受け取ります。更にお茶を入れたコップを渡してくれるので、それを受け取ります。
最後にソースを渡してくれます。ソースは複数の房で一つしかありませんので、かけ終わったら担当さんに返さなくてはいけません。
ここまで済んで初めてごはんにありつけます。
食事の時間はローカルのFM放送が流れていますので、その放送からその日の天気や気温、街の様子を知ることが出来ます。テレビを見ることは出来ないので、食事時間のラジオと、回覧される新聞だけが世間の様子を知る手段となります。
食事が終わると、空の弁当の容器とお茶のコップ、お箸を差入口の狭いテーブルの上に並べて終わりです。
同じ房にいる人とあまり食べる速さが異なっていたりするとどやされたり嫌味を言われたりするかもしれませんが、基本的には自分のペースで食べて大丈夫です。
自弁
家族がお金を差し入れてくれたり、逮捕の際にある程度のお金を持っていたりする場合は、自弁と言って自分でお金を払ってグレードの高い食事を取ることも可能です。前日に担当さんが郝萌に希望を聞いて回ってくれるので、自弁の場合は希望を伝えます。
僕の場合は全裸で所持品・所持金無しで入所しましたので、選択の余地がありませんでした。同じ房に居た人もずっと官弁でしたので、自弁だとどんなものになるか見ることは出来ませんでした。
メニューが単調で、必ずしも美味しくない官弁ですが、タダで3食食べさせてもらえることを考えると、ギリギリの生活をしている人が「3食食べたいから」という理由でわざと捕まるような罪を犯すのも、わからないでもない気がしました。